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蝉時雨

夏休みだというのに、毎日のように幼稚園や小学校に通っている子供たち。

私の母は仕事をしていなかったので、私が子供の頃は夏休みは丸々あった。
いや、近所の共働き家庭の子も一緒に遊んでいたので、当時は子供を預かるようなシステムはなかったのかもしれない。

毎日、近所の子供たちとプールに行ったり、川で遊んだりしていた。

そう思うと、ちょっと子供たちが不憫になってくる。


そういえば、母も一時期仕事をしていたことがある。
小学校から帰っても、いつもいた母がいない。
寂しかったかというと、実はそうでもなかったようだ。
いや、本当は寂しかったのかもしれない。

色々と習い事をしていた私は、週の半分くらいはお稽古に行っていた。

その中でもお習字は近所で習っていたので、自転車に乗って通っていた。
しかし、いってらっしゃいと言ってくれていた母はいない。

ある日私は、いつも母がいる時は、決してつけてくれないテレビをつけてみた。
テレビは7時からと決まっていたのだ。
そうすると、夕方には楽しいアニメをやっていた。

私は、習字に行くのも忘れてテレビを見ていた。


それは、1ヶ月くらい続いたのだろうか・・・。

ある日、お習字の先生から電話がかかってきて、私はしこたま怒られた。

そして、それ以来、母が仕事に出ることは1度もなかった・・・。

なんともとんでもない子供だったようだ。


次女の幼稚園の園庭には、ちょっとした雑木林がある。
春には桜が咲き、秋にはどんぐりを落とし、冬には枯葉を散らす。
そして夏にはセミ。

夏休みの預かり保育に次女を連れて行くために、お寺の境内に車を止めて幼稚園に歩いていくと、ものすごい音がする。
蝉時雨だ。

木という木、全てにセミがとまっている。
それも、一つの木に何十匹と。
一つ一つのセミの声なんて聞き取れない。
それは、一つの大きな音の塊となって降ってくる。

今日も次女はムシが苦手な先生のために、先生が網でとったセミを虫かごにうつすという、大事な役目をこなしている・・・。

蝉時雨_a0175678_9344179.jpg


読んでくださってありがとうございます。
励みになっています。
by couturira | 2011-08-11 09:42 | 日々のこと | Comments(4)
Commented by hanaと五右衛門 at 2011-08-11 18:04 x
テレビ・・・見ちゃいましたか(笑)
そりゃあ見ますよね!

私の母は私が就職する前年までNTTで働いてました!
交換手だったので、夜勤もしてました。
祖母がいたので、寂しいとは思って無く
それが当たり前だと・・・
でも、今思うと帰った時に「おかえり」が聞こえないのは
ちょっぴり寂しかったのかな?

次女ちゃん・・・いいお仕事してますねぇ~(笑)

Commented by couturira at 2011-08-11 20:42
hanaさんこんばんは。

そうなんです(汗)
誘惑に弱い性格は、この頃からすでに確立されていたようです・・・。

hanaさんのお母様、働きながらhanaさん達を育てられたのですね。きっとhanaさん達がしっかりしていたから、安心して仕事に出られていたのでしょうね♪

次女を迎えに行くと先生に
「虫取り要員が・・・」
と、すがるような目で見られます(笑)
Commented by わたげ at 2011-08-12 02:56 x
親のいない 自分だけでいるおうちって どきどきわくわく ですよねぇ。

普段しちゃいけないこと、できないことを やってみるドキドキ感。
そして それが見つからないと、、、ついつい。
こどもだけでなく きっと大人でも^m^

でも それも ひとつの思い出。
こどもたちは きっとその場そのときで 楽しみを見つけているはず。
Commented by couturira at 2011-08-12 22:30
わたげさん、こんばんは。

我が子がそんなことをしていたら、間違いなく大目玉です!
なかなかそんなこともあるさと思えない、まだまだ未熟者の私です・・・。

ついつい自分の事は棚に上げてしまいます(笑)
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